FLAME KEEPER 簡易編集後記

FLAME KEEPERYouTubeで100万再生ありがとうございました!
イベントを知らない人にも一つの動画として楽しめるものにしたかったので、反響よくて良かったです。


↑ニコニコ版

動画版の投稿から一週間経ってようやくイベントが終わった実感があるので、軽く動画内容などを振り返ってみるか、ということでこの記事を書いてます。

まず前提として、本動画は9/17実施の音MADタッグマッチイベント「音MAD DREAM MATCH -天- (音MDM天)」向けにKAISATSUさん(@kai_satsu)と一緒に作った二人合作動画です。イベント自体の仕組み・感想は前の記事↓でどうぞ。

nero-jojo.hatenablog.com

本記事では(ネロ視点での)編集の流れと、各パートの小ネタとか感想等を紹介していければと思います。

※記事自体が冒頭8作品のネタバレ入りなのでご注意。

動画テーマ決め

前回の記事で紹介しましたが、今回の動画テーマは「現代ジャンプバトルアニメ 継承者ユニバース」で、令和放送の週刊少年ジャンプ出身バトルアニメかつ、継承者要素のある作品のクロスオーバーとなっています。

事前にお互いの代表MADからコンビ名がFLAME KEEPER(炎の番人、精神の継承者のダブルミーニング)に決まりましたが、「可能ならそれを動画テーマにも反映させたいよね」ということで、二人とも愛読していた「ジャンプ作品」を題材に、様々な継承者主人公を扱う方向になりました。

ジャンプ漫画で継承者だとまだ範囲が広く、よりテーマを絞らないとまとまらないので、生放送イベントというライブ感にも合わせて「今」の時代反映を意識して、放送時期が令和の作品に絞りました。
オールスターではなくユニバースなのがミソで、この動画はそういうテーマのユニバースなんだよ、って感じです。(みんなも好きな定義のユニバース動画を作ろう!)


上弦の…参!?

担当作品決め

テーマに合う作品を書き出しつつ、混ぜたときに雰囲気的に調和しそう&二人が特に好きな8作品(BLEACHジョジョ、呪術廻戦、ワールドトリガー、ヒロアカ、チェンソーマン、鬼滅の刃、ワンピース)で決定しました。
二人で素材を深掘りできる限界&見せ場を作れるギリギリとして主役を8人に絞りましたが、音楽的にも拍を取りやすい人数だったので正解だったと思います。

放送時期的に他に入る可能性があった作品は
ブラッククローバーダイの大冒険シャーマンキングBORUTO-ボルト-(初期は少年ジャンプ連載) あたりですが今回は不採用。
※たまにコメント来てますが、ドラゴンボールNARUTOは平成で原作ストーリーのアニメが完結しているのでテーマ的に対象外です。

二人のメイン担当作品はドラフト指名で決めました。
・KAISATSUさん:BLEACH、ワンピース、鬼滅の刃、ヒロアカ
・ネロ:ジョジョ、呪術廻戦、チェンソーマン、ワールドトリガー
※何巡目で何選んだか忘れたので順番は適当。

各々担当になった作品については、メインパートを担当したり混合パートのセリフや絵のアドバイザーとして付く感じになります。

 

全体構成決め

題材に合いそうな曲をいくつか探しつつ、聴いただけで自分の中で大体の展開まで思い浮かんできた「REVIVER」を選曲することにしました。

↑この辺が選曲理由です。
大まかな構成を自分の方でアイディア出して、KAISATSUさんの意見を取り入れながらテーマ性に合うようにブラッシュアップして現在の構成になりました。

曲中でセリフだけでストーリー風の展開を作るのはアゲハ装備の頃から好きで、音MADじゃないとやりにくいことの一つだと思ってるので今回のイベント向けにも出来たら入れ込みたかった要素でした。

構成が出来た時点では、「完成したら凄そうだけど果たして出来上がるのか…?」という感じで、期待と不安込みの編集開始となりました。(無事締切内に完成してよかった!)

各パート紹介

パートごとに担当など含めて軽く紹介します。技術的なことより構想メインで。
(ネロ視点なので、KAISATSUさんメインパート部分は感想書きます。)

Ch01:オープニング
担当:ネロ


単色デザインで漫画が動いてる感を重視しました。網羅的なオールスターではなく、主役はこの8人!っていうのがすぐ分かるようにしたかったポイント。
音声はワンピのナレーション文章を元ネタにしつつ、各キャラクターにマッチするようにイントロナレーションとして組みました。

8人が並んでいる箇所は特に元ネタとかは無いんですが雰囲気は気に入ってます。動画内に世界の移り変わりが頻繁に出てくるので、カラーリング・色調を作品ごとに変えるのはどうか?と提案して今回の形になっています。ジャンプ作品のバリエーションの多様さを示すために虹色+白黒の8色の色相で作品ごとのテーマ色を配分しました。
・World 001:BLEACH→白(BLEACHのイメージカラーから)
・World 002:ジョジョ→紫(単行本イメージカラーから)
・World 003:呪術廻戦→青(呪力のカラー、戻れない青い春から)
・World 004:ワートリ→水(玉狛の隊服、メインビジュアルの色合いイメージ)
・World 005:ヒロアカ→緑(緑谷出久のカラー)
・World 006:チェンソーマン→黄(デンジの髪色、原作ロゴカラー)
・World 007:鬼滅の刃→オレンジ(日の呼吸、炎の呼吸イメージ)
・World 008:ワンピース→赤(ルフィのイメージカラー)
若干こじつけているところもありますが、被り無しで8色振れたのは良かったと思います。

最初は「世界番号」として集英社公式ページの各漫画のURLに使用されている5桁の区分け番号を採用しようかと思ったのですが(上の徐倫画像)、生放送で気付けるわけがないのでボツにして虹相環順の番号で001~008を振りました。無数にあるジャンプ世界のうちの8つが映っているイメージ。

ちなみに一番最初の高速で切り替わるジャンプ表紙は令和に刊行されたものだけを使用していて、今回のテーマの時代反映を密かに示しています。(生放送で気付けるわけないだろ)

 

Ch02:WORLD 007 鬼滅の刃
担当:KAISATSU


今回のMADの前半は「各主人公が背負うもの・受け継いだものは何か?」を示すパートになります。
トップバッターは超新星の鬼滅で、KAISATSUさんに担当してもらいました。

Ch03:WORLD 006 チェンソーマン
担当:ネロ


後半のマキマのセリフを既に決めていたので、「俺達の邪魔ァすんなら」は対比として確実に入れたかった部分。原作再現として作りました。

 

Ch04:WORLD 008 ワンピース
担当:KAISATSU


最初のサビなので現代ジャンプの代表であるワンピを配置。KAISATSUさんが良い映像作ってくれるだろうという期待で前半作品は結構お任せしています。

ニコニコではかなりネタで定着してるシーンを含んでいますが、それを感じさせない、見事にエースとルフィの関係性を示しているパートだと思います。原作+アニメの違和感のない融合がキレイ!


Ch05:WORLD 005 僕のヒーローアカデミア
担当:KAISATSU


終盤の回り込む3D編集などはなかなか静止画で思いつかないKAISATSUさんならではの編集だと思います。ダイナミックなカメラワーク最高!

 

Ch06:間奏 世界の観測者
担当:ネロ


前パートがヒロアカだったのでジョジョの『不滅の詩』で出久と死柄木の対比をやったり、今後のパートで世界が交わっていくことをナレーションで示したり。
各世界と繋がっているモニター役として死滅回遊のコガネを活用しています。このへんで勘の良い人はオープニング後半の声が世界を観測する羂索のものであったことに気付けるかも。

 

Ch07:WORLD 004 ワールドトリガー
担当:ネロ


修から受けた影響、父&レプリカと共に積んだ研鑽を示すシーン。ワートリはダブル主人公(原作者曰くはクアドラプル主人公)作品なので、今回は父のブラックトリガー・サイドエフェクトを継承しており、単独でも強敵を倒す力を持つ主人公の一人である遊真に代表してもらってます。

 

Ch08:WORLD 001 BLEACH
担当:KAISATSU


後の展開も見据えた斬月のおっさんとの別離シーン。ワートリで「剣」の話をしていたところからも繋がるのが良いですね。

 

Ch09:WORLD 002 ジョジョ
担当:ネロ


プッチとの普通のバトルはココロジョジョルでやり尽くした思いがあるので、いっそのこと、ということでDIO復活のオリジナル展開にしてみました。

原作と展開が違う=何者かが裏で介入しているという示唆にもなっているパートです。DIO&プッチはかなり厳しい相手ですが、DIOが参戦したことにより承太郎から投げナイフを警戒され、気配を消した徐倫の糸でナイフを止めることに成功、反撃に転じる…という流れでした。

 

Ch10:WORLD 003 呪術廻戦
担当:ネロ


ナナミンと虎杖の関係好きなので…
「そんな後ろ向きな私が最期に未来に賭けたんだ」良いよね。

 

Ch11:WORLD 000 交わる世界
担当:ネロ


かなり重要なパートなので最初の方に編集しました。ここから完全クロスオーバーに入っていきます。(画面内の人数多くて切り抜き大変)

黒幕に据えるのは呪術廻戦の羂索(偽夏油)。原作からして羂索は
・五条・宿儺には逆立ちしても勝てないNo.3の立場でありながら、何らかの契約によって格上の宿儺と組んでいる裏ボス
・1000年前からコツコツ術師・呪霊と契約して機を伺っていた
というキャラクターなので、野望の為なら裏で異世界を練り歩いて色んな奴と契約してても違和感がないという点で本動画でも裏で糸を引く存在としました。(「世界を超える術式」を見つけた世界線の羂索という感じ。)

羂索の原作での目的は「呪力の最適化」、転じて日本中の人間を呪力で進化させて新しい可能性を見たい、という混沌を求めるキャラクターなので、そこを下地にこの動画では「各世界を混ぜて、強い精神エネルギー同士をぶつけたら何が生まれるのか?」という壮大な実験を羂索が行うストーリーになっています。(OPの後半で御手並拝見と言ってるのはその布石です。)

敵・味方の登場エフェクトは各漫画の能力を採用してます。

 

Ch12:ボスラッシュ
担当:KAISATSU&ネロ


宿敵たちの紹介パート。異名+名前+フキダシの画面構成を決めて、各担当原作ごとに前半(KAISATSUさん)と後半(ネロ)で担当者を分けました。
未完作品ではラスボスなのかまだ分からないキャラも居ますが、いずれも主人公たちの継承元となる仲間・師匠などに関連した因縁のあるキャラクターが相手になっています。

 

Ch13:強襲 ヴィザ&マキマ
担当:ネロ


各キャラをボコボコにするマキマさん見たすぎる~と思って作りました。
ワートリサイドはいまだに作中最強候補のヴィザ翁に出張ってもらってます。
マキマのセリフの意図はこんな感じ

 

Ch14:圧倒 ラスボスたち
担当:KAISATSU(アドバイザー:ネロ)


最後に完成したパート。次のパートの内容は決まっていたので、「ボスが圧倒するが折れない主人公たち、しかし最後に大ピンチに…!」という方向性でKAISATSUさんと話していたパートですが、120%のクオリティで実現してくれて素晴らしかったです。
ジョジョキャラのモーションとかお手伝いしました。

 

Ch15:再会 FLAME KEEPER
担当:ネロ(アドバイザー:KAISATSU)


骨子になるパートなので結構最初の方に作り始めましたが後半の「心を燃やせ」に続く言葉がなかなか思いつかず、KAISATSUさんにBLEACH方面から色々探してもらったりしました。上手い具合に煉獄さんと残月のおっさんの「前を向け」をハモらせることができたので良かったです。

このパートは羂索が世界をまぜこぜにした結果生まれた生死を超える精神世界みたいなイメージで、おそらく徐倫たちが戦っている間に裏では承太郎たちも現実世界に干渉できるように戦っていたストーリーがあるんじゃないか…みたいな妄想はあります。


Ch16:WORLD REVIVER ラストバトル
担当:ネロ(アドバイザー:KAISATSU)

最終的には相棒・師匠たちから精神エネルギーを受け継いだ主人公たちが原作本編を遥かに超える力を身に付けて宿敵との再戦に挑むラストバトルパートへ。
羂索は自分の作り出した世界が原因で敗北してしまう…という因果が廻った感じのラストでした。(でも人間の可能性が見れたから満足して死んでるかも。)

無惨とDIOは多分羂索との契約で太陽光を反射する術式を貰ってるので日の下でも大丈夫な状態になってます。(適当設定)「ついに太陽を克服できる!!」って言ってたしね。
BLEACHやヒロアカなどの使用シーンはKAISATSUさんに見繕ってもらって編集しました。ワンピの「上がれ 心臓の音…!!」は個人的に好きなセリフ&先陣を切るのに合いそうなので採用。(締切時点で猿神銃(バジュラングガン)の回はまだ放送してなかったのでちょうど良かったかと。)

Ch17:エンディング
担当:ネロ(アドバイザー:KAISATSU)


世界は元に戻り、それぞれの日常へ戻っていくラスト。
文章構成は鬼滅最終回広告キャッチコピー『想いは不滅。』からイメージを広げて作りました。不滅といえばジョジョの『不滅の詩』もあるので通ずるテーマ感にもなるかなと。

ラストに消えぬ炎が灯るのはKAISATSUさんのアイディアです。(最初は瓦礫だけだった)絶対炎置いたほうが良いですね。

 

終わりに

簡易といいつつ結構書いてる気がする!
こんだけ大掛かりなクロスオーバーMADはイベント以外でやらないと思うので良い機会になりました。相方のKAISATSUさん&視聴者の皆様に感謝!

他の音MDM天の動画も良いものだらけなので、未視聴の方は是非見てみて下さい。
どの動画も方向性はバラバラですが、同じイベントで鎬を削った同志のような感覚があって良い企画でした。



最後まで読んでくれてありがとうございました。アリーヴェデルチ!(さよならだ)

音MDM天 かんたん感想

「音MAD DREAM MATCH -天- (音MDM天)」という生放送イベントに音MAD作者(出場者)として参加しました。関係者・視聴者の皆様ありがとうございました!

 

このイベントは、

  1. 運営から選出&視聴者投票で選抜された音MAD作者40名が集まる
  2. 他の39名の中から自分が組みたいと思った作者を指名
  3. 双方の指名が一致したらコンビ成立、しなかったら指名二巡目以降開始
  4. ②、③を繰り返して成立した20組のコンビで新作音MADを制作して9/17の生放送で流す

という流れの音MAD放送になります。
企画詳細ページ:https://otomdm-ten.com/

 

第1回音MDMの開催からは5年経っており、前回も出場者として誘われていたものの、時間の都合などもあり当時は参加を断っていました。ただ、名MADが沢山生まれた良い企画だった記憶は残っていたので時間の余裕もある今回の第2回には参加させていただきました。


参加表明院

■出場者告知

こちらの動画で全出場者が初公開。参加者自身もここで初めて他の出場者情報を知ったので新鮮な気持ちで見てました。(参戦メンバーが一新されるのも知らなかった)

 

最近は知ってる作者の動画以外はあまり見れていなかったので、コンビを組むにあたって出場者全員の動画をしっかり見て特徴をメモったりしました。

■コンビ指名マッチング開始

ドリームマッチにおける主題であるコンビ指名が1月頃からスタート。

指名結果は毎回誰が誰に投票しているのかが分かりやすい相関図付きでメンバーに共有され、指名を返すか否か?といった心理戦も込みで面白い企画でした。

 

・一巡目:Ckiroさんを指名

前夜祭番組でバレてるので内容お話すると、一巡目はCkiroさんを指名しました。音MADあんまり知らない人向けに紹介するとジョジョ合作(鎮魂曲)でシュトロハイムのパート(11:04)の映像を担当されていた方で、いつも映像が上手い&素材の好みも合うかなと思っての指名でした。

 

・二巡目:KAISATSUさんを指名→コンビ成立!

一巡目でありがたいことに2名の方から指名を受け、迷いつつもそのうちの1名であるKAISATSUさんを二巡目で指名しました。KAISATSUさんからは二連続指名をいただき、ここでコンビ成立!

実のところ、KAISATSUさんは自分の中で指名候補の1位タイで考えていた方で、(それまで接点がなかった&素材が自分とあまり一致していなかったという理由で候補2位にしていた)元々二巡目での指名を検討していた方だったのでありがたかったです。

KAISATSUさんは修造MADで有名な方で、近年はシャニマスMADでも活躍されています。素材への熱量であったり、映像クオリティの高さが指名の決め手でした。(活動開始時期が近いのも共通ポイントかも。)

↓音MADビギナー向けに特に好きなKAISATSUさんの動画を勝手に紹介!

 

・トゥルミルアチチルノ


イケテマステップが記憶に残る名作。14年前の動画なのに今見てもクオリティ高いですね。(余談ですが、松岡修造誕生祭だったので同日に自分も修造MADを上げてたりします。もうあれから14年も経ってんの…?)

 

・ネオメラドラマティック


正統派修造MAD。映像モーションや色調から次世代の完成度を感じる。

 

・松岡誕生祭'20合作 ピースサインパート(13:29~)


トリを飾るのにふさわしいパート。セリフを組んで歌詞に当てる感じ、自分の理想とする音MADの方向性と近いところを見ていそうだと特に感じた動画です。

 

ちなみに二巡目ではCkiroさんから指名返しを頂いていたので、もしかしたらそっちのコンビになっていた可能性もありました。(結果的には神酒さん×Ckiroさんコンビの「超正当派」チームが投票で優勝したので、色んな意味で今回の結果で良かったのではないかと思いますが。)

 

■コンビ公開!コンビ名は「FLAME KEEPER」に決定

(毎回告知系の映像クオリティ高すぎる!)

コンビ名はアイディアをブレスト的に出していきましたが、最終的に互いの代表動画(修造とジョジョ)にちなんで「FLAME KEEPER」(「炎の番人」、「精神の継承者」のダブルミーニング)をKAISATSUさんが考えてくれました。

コンビ名を決めた時点ではまだ動画内容までは確定していなかったですが、コンビ名の「精神の継承者」の意がそのまま動画テーマの骨子にもなったので重要なポイントですね。

 


立ち絵は前回MDMから継続して立ち絵を担当されている岩鉄ハガネールさんが担当してくれました。自分が長らくTwitterでアイコンにしてるアバッキオの同僚をモデルとして、ジョジョ立ちでリクエストした記憶があります。(エルシャダイ要素もスタンドで入れてもらえました。感謝!)


コンビ成立は立ち絵作成より後だったので偶然ですが、KAISATSUさんの立ち絵と並ぶと赤の炎と青の炎(オーラ)でドリームマッチ感が強まって良かったです。

 

■動画内容の方向性

コンビで扱っている素材があまり被っているわけではなかったので、作る動画の素材や内容を決めるにあたって通話しながらお互いの嗜好を探っていくところから始めました。

もしかしたら予想されている方も多かったかもしれない、代表素材の「修造&ジョジョ」で行くのも案としてありましたが、今回は統一した素材を選出したく、話していてお互い好きで購読していることも分かった週刊少年ジャンプを扱う方向になりました。

(異種素材タッグは他チームが出してくれるかな?という期待もありました。トップバッター↓、本当に見事!)

 

会議を経て、自分の中で以前からうっすら構想があった「ジャンプバトル漫画オールスター」と、KAISATSUさん案の「継承者」要素をかけあわせて「ジャンプバトル漫画 継承者ユニバース」の方向で動画を作っていくことが決まりました。

軸を絞らないといくらでも作品候補があるので、「現代ジャンプ」の要素が出したく、「令和に放送したジャンプバトルアニメ」の中で継承要素がある8作品でチョイス。4作品ごとにメイン担当を決めて編集したりしました。

 

■イベントに向けて

編集でヒーヒー言ってる合間にも様々なハイクオリティ告知が投稿されていく!

 

流行 告知

前半告知

アナログ告知 

リビアの泉(ダメ万田中さんの声優が出てくる所で声出た)

 

編集過程で(主にリアルで)色んなことがあり、動画を完成させることが何よりも困難な道のりと感じたりもしましたが、最終的に締切日のラスト1時間前に無事提出することができました。(ギリギリ!)


提出後、就寝…

 

■9/17 音MDM天 放送当日

当日はあの量の動画配信を殆どミスなく進行した運営の手腕が素晴らしかったです。(FLAME KEEPER流れる前にしばらく暗転時間があったのはちょっとヒヤっとしましたが、特に事故などなく全体タイムキープも完璧でした。)

 

ジャンプVS快楽天の異種漫画雑誌対決があったりして何だか魔境のBブロックでしたが、決勝に進むほどの評価を頂けて嬉しかったです。改めて投票してくれた方々、ありがとうございました!


Bブロック最強(最弱)のライバル 何度倒れても立ち上がる常敗のヒーロー


他チームの動画も各々別方向の面白さがあり素晴らしかったです。


ぶりぶりざえもん、お前と戦いたかった…(後ろからどつく)

 

■単品動画の投稿日

動画単品は上記ツイートのような細かい修正を加えて、10/6(金)頃に投稿予定です。もう1週間だけお待ち下さい。

MDM全体の感想はこの記事で書けましたが、動画自体の編集後記はアップ後にやる気が残ってたら書くかもしれません。

 

最後まで読んでくれてありがとうございました。アリーヴェデルチ!(さよならだ)

編集後記 JoJonos - STEEL BALL RUN

ジョジョ第7部MAD『JoJonos』投稿から1ヶ月経ちましたが、YouTubeにて100万再生突破ということでありがとうございました。この動画がきっかけで7部全巻買った・読み直し始めた等のコメントをちらほら頂いており嬉しいです。

久々の投稿&未アニメ化の部ということでどれくらい見てもらえるか未知数でしたが、ジョジョ7部という超名作の前では杞憂だったようで良かったです。加えて、今後もこの動画がSTEEL BALL RUNファン層の拡大に少しでも繋がれば幸いです。

 

本記事では100万再生記念、および慣れてないタイプの映像編集だった今回の備忘録も兼ねて軽いメイキングを書いていこうと思います。(Twitterの過去つぶやきと若干内容被ってます。あと7部原作ネタバレを結構含むので要注意。)

 

◆つくるきっかけ

元々この動画を作る予定は無かったのですが、ジョジョ6部アニメの2クール目開始が想像より遅く(1クール目から8ヶ月後に配信)、編集中の「ココロジョジョル第6部」の作業時間に余裕が出来たため、空き時間で何か普段出来ない動画を作ろうと思ったのが始まりでした。

▲ココロジョジョル第6部。アニメ本編がまだ完結してないのに何故かたまにコメントで「早く出して!」と言われることがある。(理不尽)

 

そこで、丁度やりたいと思っていたのが原作漫画を活用した映像(ジョジョ合作内の「ココロジョジョル:オールスター」の発展形イメージ)で、昔から好きな部なんだけど今までゲーム素材だけでは勿体無くて単体では扱っていなかった『STEEL BALL RUN』を題材に挑戦してみようと思い立ちました。素材量的にココロジョジョルのような時系列重視の総集編には向いてないので、必然的にジョニィ・ジャイロの二人にフォーカスした二人旅のMADとして構成することにしました。(単純にこの二人コンビが好きなのもあるけど)

▲ココロジョジョル:オールスター収録の合作。

 

選曲は少し悩みましたが、以前他のアニメで音MADやろうとしてお蔵入りしたまま心残りだった名曲「Chronos」に思い至り、実際に原曲を再生してみたら脳内でSBRの情景や台詞・展開がありありと思い浮かべられたので決定しました。ちなみにこの曲はSBRの連載期間中に音ゲーの「GuitarFreaks V6」&「DrumMania V6」でリリースされたという地味な繋がりもあります。

 ▲Chronosのクリップ。大自然を駆ける映像や、海と空が冒険を感じさせる。

 

題材が定まったら締め切りを設定するために投稿予定日を最初に決めておこうということで、SBRに縁がある日付であり、かつ編集時間を十分に取れる9/25(SBRレース開催日)での投稿を目標に編集スタートしました。(今年の4月ごろ開始。)

 

◆編集ソフト

よく質問されるのでここに記載しておきます。プラグインなどは編集の項で紹介。

・音声編集ソフト:REAPER

・映像編集ソフト:Premiere Pro、AfterEffects、Blender(3D部分)

・画像編集ソフト:Photoshop、CLIP STUDIO、SAI

編集過程を知らない人向けに説明すると、音MADは基本的に音声編集から始めて、音楽が完成したら映像編集に入ります。(稀に映像から作ることもある)

 

◆音声編集

今回は楽曲を元にある程度展開イメージを考えつつ、詳細な構成を決める前に原作SBRをイチから読み直して、昔録画していたASB/EoH(ゲーム)の7部キャラの台詞を時系列順に整理する作業をやりました。

▲漫画を読みながら、ゲームで聞き覚えのある台詞が出てきたらトラックに並べる作業。

 

ここまでしなくてもゲーム版の台詞は大体頭に入っているのですが、把握に漏れが無いようにしたいのと、意外に細かい順番を覚えてない台詞もあったので良い頭の整理になりました。ちなみに「『回転』のレッスンはハードだぜ?」などはゲームオリジナルの台詞です。(今回の動画は基本的には原作台詞を優先して使用して、構成に合うようだったらオリジナルボイスも採用しています。)

 

素材整理が完了したら次は全体構成へ。「Chronos」は変拍子で曲の展開もダイナミックに変わっていく楽曲なので、曲調の変化ごとにチャプターテーマを考え、全9パートで構成しました。

 

★JoJonos最終的なチャプター分け

Ch01(0:01):人物紹介、SBRレース開始

Ch02(0:18):物語のイントロダクション、『回転』と『スタンド』

Ch03(0:29):スタンド使い強襲

Ch04(0:43):ジョニィ・ジャイロ反撃、能力紹介と成長

Ch05(0:54):ジョニィ・ジャイロの旅の目的、心情

Ch06(1:07):ヴァレンタイン大統領の介入、目的

Ch07(1:20):遠回りこそが最短の道

Ch08(1:31):冒険の思い出、ネットに弾かれたボール

Ch09(1:44):ACT4覚醒、二人旅の終わり

※作り始めからここまではっきりテーマを決めているわけではないですが、区分けと大体の方向性はこんな感じで考えていました。

 

全体構成を考えた後は編集開始。音声編集ソフトはいつも通りREAPERを使用しています。全体的に台詞が聞きやすいようにミックスしつつ、効果音もある程度目立つよう調整をしました。(今回のようにドラマ性を重視したいMADではドラムの代わりを為す重要なパートになります。)

 

音声編集にあたって、どこから作り始めるかは場合によって変えますが、今回はラストであるCh09から作っています。(最後がちゃんと締まらないと成り立たないので。)台詞合わせ音MADの作り方は人によって違うと思いますが、自分の場合はシメ・オチや決め台詞から逆算して肉付けするように編集していくことが多いですね。

▲最初に音声編集を始めたチャプター。最後にオラオラ→ありがとうのイメージは編集前からありました。

その後、Ch01~08の脳内テーマに合うように入れたい台詞を入れつつ埋めていきます。最後の方まで行っても、構成とリズムに合う台詞がもし足りない場合には音声が完成せずお蔵入りになってしまう可能性があるので、音声編集は最後まで気を抜けない作業になります。

 

実際、今回特にジョニィとジャイロのパートはASB&EoHのボイス素材をフル活用してようやく完成できたので、どちらかのゲームが欠けたら作れなかったと思います。(一つの部だけ抜き出してもこの量の台詞を収録してるゲームの素材量は超スゴイんですが。)いつも助けられてるので、新作のジョジョASBR(ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトルR)はお布施も兼ねて3本買いました。(PS5 Disc特装版、Digital版、Steam版)

 

◆映像編集

音声が完成したら、まずはイメージ具体化のために使うシーンを決めて、タイミングの参考になるコンテ動画をPremiere Proで作る作業へ入りました。漫画を扱う動画を作る上でモノクロ版とカラー版のどちらを扱うかは選択が分かれそうですが、今回は原作であるモノクロ版をチョイス。(単純にそっちの方が好みなのと、加工もやりやすいので…)

 

映像の方向性として、基本的には小窓をほぼ使わずに16:9の画面全体をフレームとして動かしていきたかったので、今回使用できるシーンは結構絞られています。(建物やフキダシでキャラクターが隠されている部分が大きすぎるシーンは使用しづらいため。)漫画は縦に長いシーンが多いので、横長の画面にマッチできるシーンを選ぶのが結構難しいところでした。

▲粗いですが、できあがったコンテ映像はこちら。一部の音声は最終調整前のものになっています。

 

その後はコンテのタイミング・使用シーンを元に1シーンごとに以下の作業を順に行いました。

①素材切り抜き・調整&画面配置

②キャラモーション・カメラモーション付与

③エフェクト付与

④色調補正、光源、影付与

⑤口パク付与(時間がかかるから最後)

普段の編集内容とやることがやや異なるので、様子を見ながら全体トーンを合わせるためにまず全シーン①②を作る→全シーンで③の作業→全シーンで④の作業…という感じで同じ映像を何周も編集する感じでやりました。終わりのないのが『終わり』…(終わったけど)

 

コンテ後の映像編集はすべてAfterEffectsで行っていまして、モーションにパペットピンツール(髪揺れにAutoSway)、色調補正にMagic Bullet Looks、レンズぼかしにLenscare、光源にOptical Flares、パーティクル表現にTrapcode Particular等を使用しています。(この動画のためにプラグイン買いすぎた)

 

以下、パート毎の内容紹介に入ります。

・Ch01(0:01):人物紹介、SBRレース開始

主役がこの二人であることや、二人のレースに対する思い、二人の師弟関係・ライバル関係の始まり等を示すチャプターです。ここからヴァレンタイン登場までの色調はChronosのイメージカラーを意識して青を基調としています。(Looksでシャドウカラーを調整。)

 

目、口に影を当てないことで眼光などを表現するのは原作での逆光表現のリスペクトです。(ジャンプ漫画では結構主流の表現?)ASB等でも暗いステージでは似た処理がされてますね。今回の映像内では、影処理を入れた後に上から元絵のマスクを被せて、それをコンポ化したものを使用してモーションを作る形になります。

▲目に影を落とさずに眼光を表現する漫画手法。ジョジョの他にはワンピース等の少年漫画でよく使用されています。

 

手・指を切り抜いて描き足して鉄球回して髪揺らして…とカロリー高めだったカット。能力に使用している光のオーラは無料プラグインのsaberで作っています。光が入り込む表現はDeep Glowのグロー処理で。

 

鉄球は立体的に回転させたいのと、どうせ何回も使うだろうからblenderで3Dで作りました。(3回しか使わなかったけど…)

 

この辺は事前に脳内で台詞が曲にハマっていたので良い具合に実現できて良かったです。

横顔の口パクは難しいんですが、動かしたら割と自然な感じになったので嬉しかったシーン。口パク編集はアニメを参考にしながら全てCLIP STUDIOを使用しての加工+手描きで制作しています。

 

こんなカットは原作に存在しないんですが、追う者と追われる者、飢える者と受け継ぐ者みたいな関係性を、見上げる位置関係・手を伸ばす構図から見られると良いな…と思いコラージュ+手描き補強してシンプルな影絵で制作しています。一応イメージの元ネタは終盤回想のこのシーン↓あたり。

▲原作終盤の回想の台詞が実際に本編に出てきた台詞と違うのちょっと謎だけど、ジョニィの思い出の記憶感があってなんか好き。

 

動画内に投稿日と同じ日付の実況台詞を入れてるのはオシャレポイント(?)です。開幕感が出せるのと、折角最初に投稿日を決めたので入れておこうと。ちなみに、正確なSBRレースの開始時刻は北米時間の午前10時なので投稿時間には迷いましたが、日本時間の午前10時→現地時間ではないのであんまり意味ない、北米時間の午前10時→日本時間の9/26午前3時となってしまい日を跨ぐので意図が伝わりづらい、ということで今回は開催された日付重視としています。

・Ch02(0:18):物語のイントロダクション、『回転』と『スタンド』

『回転』の技術を習得する過程で新たな能力と出会う、物語のイントロダクションパートです。実は音声はこのパートが一番最後に作られました。ストーリーへの導入を入れつつ、短い時間で次のスタンド襲来の場面転換まで流れを持っていかなければならないので個人的にはボイス選定が難しかったところ。(同様に、過去作のココロジョジョル:オールスターでも「このわたしに吸い寄せられる者たち!」から始まる一連の導入パートが一番難航しました。)

 

静止画系MADの醍醐味(?)のまばたき描写は要所に入れたかったポイント。瞼や眉毛を切り抜いてピンツールで動かしたりしています。

 

ここは3D配置で遠近感出したかったところ。朝焼け的なイメージで光源入れてます。この辺から、効果音を切り抜くのが案外面倒だということに気付いてきてます。(バァァアアアのところ)

 

ちなみに今回、『スタンド』の発音はアニメ準拠の平板アクセントに近くなるようにピッチ修正しています。

ASBは3部ゲーとかと同じく「タ」にアクセントが付く発音を踏襲していたのですが、その後始まった3部アニメは荒木先生が普段喋る時の発音と同じく平板な発音で統一された歴史があり… 最近出たASBRではその辺の発音もアニメ準拠で全キャラクター矯正されていると思いますが、ジョニィだけはおそらく以下の理由でほぼ全セリフが変更無しだったので、編集で調整した感じです。(マニアックすぎ補足)

 

『新手のスタンド使いか!』はEoHオリジナル台詞で、実は全キャラ分収録されている汎用ボイスになっています。画像は対になってそうな構図の二人だけど、実は全く別々のシーンからの引用。

・Ch03(0:29):スタンド使い強襲

旅の中で襲いかかるスタンド使い達の猛襲。(ウェカピポは鉄球使いですが。)基本的にはジョジョらしく1枚絵を動かして強調する構成ですが、画面内の人数、物量が多くて描き足し含めて編集カロリーが高めのパートでした。素材的にはアクセル・ROもゲームには居るんだけど尺の都合で今回は不参加。

 

このジャイロは本編ではなく扉絵に使用されていたビジュアル。扉絵の絵はフキダシとか無いので結構使いやすかったりします。腕を切り抜いてアニメっぽく動かしました。

 

リンゴォ戦は絶対に入れたい名シーンだったので主人公パート突入前の前哨戦に。ゲームには「いい「眼光」になったッ!!」しか音声がないので「少し」は造語で言わせています。(ASBリンゴォの台詞かなり多いのに「少し」だけは収録されてないという…)

 

「再びかァァーッ!!」で主人公ズ反撃パートへ。『東京ポルナレフランド』(2014年投稿)を昔見たことある人は懐かしい流れかもしれません。

・Ch04(0:43):ジョニィ・ジャイロ反撃、能力紹介と成長

開放感のある曲調変化に合わせて主人公二人の反撃パートです。成長するジョニィとジャイロが交差する感じで、文字演出でもそれを示しています。エフェクトのいくつかは有料素材のものを使用しています。

 

スキャン発動時の目の下のタトゥー好き。ウインク処理+レンズフレアで能力発動感を出したかった所です。

 

Act2はジョニィが初めて黄金回転を実践できたときの見開きから。ここの水しぶきや、他シーンでの空気中の塵などの表現はParticularで制作しています。物量多めで動作重かったり、描き足しが多かったりで割と大変だったパートです。

 

「もいっぱああああつッ!」は編集前に原曲を聞いてたときからここの三連符に合わせたかったところ。SBR序盤の中でも特に印象に残るシーンですね。

・Ch05(0:54):ジョニィ・ジャイロの旅の目的、心情

ジョニィ・ジャイロは何を目的として旅を続けるのか。7部全体のテーマとも繋がる、二人の精神性を示すパートです。6/8拍子部分の『「ゼロ」に向かっていきたいッ!』と『探す事は出来ねえッ!!』はこの曲におけるある種のサビというか、強調して入れたかった部分なので上手くハマって良かったです。

 

結構血がベッタリなので口パクが難しかった箇所。この辺は風の勢いを入れたいので髪を一束ずつ切り抜いて揺らしています。『「ゼロ」に向かっていきたいッ!』はASBのスタイリッシュムーブ時に確率で出てくる台詞です。(確か)

 

元のコマがかなり縦長なのでどう配置するか迷った箇所。マントや腕を描き足して補正したりして横長の画角に合わせました。ここ含め、原作でも風がなびいてそうなシーンは出来るだけAutoswayでバタバタ動かしてます。

『「どこへ」も!「未来」への道も!探す事は出来ねえッ!!』あたりはEoHで追加されたボイスで、三木さんの熱演も相まってジャイロの台詞の中でも一番好きなものです。ここは見開き全体で最高なので原作も見てみてください。

・Ch06(1:07):ヴァレンタイン大統領の介入、目的

二人の冒険の決着には欠かせないのがこの男。ヴァレンタインの信念を表現できて、かつ本パートのリズムに合う台詞があるか結構探し回りました。アメリカ合衆国イメージで青ベースの色調に光源として赤い光を当てています。(ラスボス的な配色意識もアリ)

 

大統領の髪はまとまりを一房ずつ切り抜き+描き足しでふわふわ動かしました。

 

背景分けて描き足して3Dレイヤーで配置してるけど使用時間が短すぎてあんまり効果出なかった気がするカット。光のカーテンはフラクタルノイズから。ここもかなり縦長のコマなので下からパンさせて使いました。

・Ch07(1:20):遠回りこそが最短の道

原作でも非常に印象的なLesson5のシーン。ジャイロの精神性や黄金長方形のイメージを反映して、ここからは光源を黄金色に変化させています。いわゆる落ちサビ的な部分の雰囲気やリズムに合う台詞を入れられたので良かったです。ちなみに、口パク加工はこのシーンからやり始めました。(やりたい全シーンで出来る時間があるのか不明だったので、重要なシーンから順に作っています。)

 

口パクはアニメを参考にCLIP STUDIOを用いて手描き&加工で一コマずつ作っています。台詞中心の音MADにおいて実際に「喋ってる感」は結構重要なんじゃないか?と思ってやり始めたところです。あと、自分のように静止画系MADでは初心者の人間が画面づくりのクオリティで他の方に一朝一夕で追いつくのは難しいので、音MADならではの画面内を飽きさせない工夫として入れたかったポイント。

 

原作では2カットに分かれていたヴァレンタインが迫りくるシーンとジャイロが斃れるシーンをシームレスに繋がるようにしています。波、馬、ジャイロ、大統領を諸々切り抜いて描き足して3Dレイヤー配置して…とやはり結構大変だったシーンです。

 

台詞合わせ部分の視聴者人気が高かった箇所。ジョニィ覚醒までのテンポが早いので、ここのバックの映像でリズムに合わせてLesson5の過程を入れつつ、黄金長方形の軌跡アニメーションを入れて習得の流れを作ろうとしています。線のアニメは3D Strokeエフェクトを使用。(パスでも普通に作れそう)

 

このシーンではジョニィ単体、回転エフェクト、黄金長方形各種を分離して動かしてます。ジョニィの咆哮はASBのVSヴァレンタインのストーリーモードに出てくるボイスで、ジョジョの奇妙な旅絵巻の7部パートのオマージュも込めて入れてます。(9年前に自分が担当したパート。)

 

・Ch08(1:31):冒険の思い出、ネットに弾かれたボール

Lesson5と共に走馬灯のように思い起こされるのはジャイロと共に過ごしたレースの日々。イメージ元は原作の見開き↓ですが、流石にこれらの台詞はゲーム収録されていないので、リズムに合い、かつ冒険を振り返られるものを未使用のボイスからチョイスしました。『回転』を教わった、激励してくれた、ふざけあった、ケンカもした、秘密を打ち明けあった。どれもジョニィが歩んできた欠かすことのできない回り道だったのではないでしょうか。

 

▲『LESSON1』の内容をこのシーンまで隠しておく原作のニクい演出。ジャイロのクマちゃんとか知らない記憶が入ってくるのも好き。

 

テニスボール→鉄球の演出は思い付いた通りに映像化できて良かったです。作中のテーマの一つでもある無限の領域に挑むジャイロたちを表現したかったシーン。テニスボールはblenderで自作し、テニスコートMMDからお借りしました。ボールを中心にカメラ回転・モーションを入れています。

・Ch09(1:44):ACT4覚醒、二人旅の終わり

ラストは二人旅の記憶から。ジャイロとジョニィが初めて1、2位フィニッシュした回は必ず入れたかった名シーンです。前述の通り音声はこのパートから編集を始めましたが、奇跡的に6/8拍子の三連符と入れたい台詞のリズムが合致したので完成まで持っていくモチベがかなり上がったところです。

 

ここは静止画MADなら原作絵でやるべき所なんですが、こんなに沢山ゲームの台詞使ってるんだから素材のある必殺技部分はゲーム映像を使いたいな、ということで入れました。漫画の色調に合わせてコントラスト等調整してモノクロ処理しています。

 

ヴァレンタイン大統領を倒して空が明けるラスト。SBRレースのエンブレムでシメです。この後に出てくる作品ロゴは文庫版タイトルから。原作はヴァレンタインを倒した後も続いていきますが、今回は二人旅にテーマを絞った動画なので、ジョニィが一人で歩いて行くこの先の展開は原作を読んでのお楽しみ…という感じです。

 

◆サムネ

サムネはChronosのジャケットの色味に近づけて青系統で統一しました。コントラストのメリハリが出るように後ろに「JOJONOS」のデカ文字も追加。サムネイラストはやはり主役の二人が16:9の画角内で目立つものにしたかったので、相棒感が強くジャイロがカメラ目線でサムネ向きなこのビジュアルを選びました。

 

元の絵はこちら。ウルジャンの表紙や文庫版SBRの表紙として使用されたイラストです。(出典は画集『JOJOVELLER』から。)実はサムネとは全然配色が違うビジュアルでした。

こういうマスク画像を作って、特定位置だけ選択して色調をChronos風に変更する作業を行っています。カラーリングに固定概念が無いジョジョならではの加工ポイントですね。

 

◆おわりに

静止画系はまともに作るのが初だったので編集技術的にはまだまだだなと思いますが、コンセプト通りの展開で編集することは出来たのでその点は良かったと思います。今回は意図的に使用していないシーンも多々あるので、もし今後も自分のMADが続くのであれば未来に出るかもしれないアニメ7部のMADでお楽しみいただければと思います。

 

直近ではまずは次の6部MADでまたお会いしましょう。(リアルタイムで編集中です。)最後まで読んでくれてありがとうございました。アリーヴェデルチ!(さよならだ)