編集後記 JoJonos - STEEL BALL RUN

ジョジョ第7部MAD『JoJonos』投稿から1ヶ月経ちましたが、YouTubeにて100万再生突破ということでありがとうございました。この動画がきっかけで7部全巻買った・読み直し始めた等のコメントをちらほら頂いており嬉しいです。

久々の投稿&未アニメ化の部ということでどれくらい見てもらえるか未知数でしたが、ジョジョ7部という超名作の前では杞憂だったようで良かったです。加えて、今後もこの動画がSTEEL BALL RUNファン層の拡大に少しでも繋がれば幸いです。

 

本記事では100万再生記念、および慣れてないタイプの映像編集だった今回の備忘録も兼ねて軽いメイキングを書いていこうと思います。(Twitterの過去つぶやきと若干内容被ってます。あと7部原作ネタバレを結構含むので要注意。)

 

◆つくるきっかけ

元々この動画を作る予定は無かったのですが、ジョジョ6部アニメの2クール目開始が想像より遅く(1クール目から8ヶ月後に配信)、編集中の「ココロジョジョル第6部」の作業時間に余裕が出来たため、空き時間で何か普段出来ない動画を作ろうと思ったのが始まりでした。

▲ココロジョジョル第6部。アニメ本編がまだ完結してないのに何故かたまにコメントで「早く出して!」と言われることがある。(理不尽)

 

そこで、丁度やりたいと思っていたのが原作漫画を活用した映像(ジョジョ合作内の「ココロジョジョル:オールスター」の発展形イメージ)で、昔から好きな部なんだけど今までゲーム素材だけでは勿体無くて単体では扱っていなかった『STEEL BALL RUN』を題材に挑戦してみようと思い立ちました。素材量的にココロジョジョルのような時系列重視の総集編には向いてないので、必然的にジョニィ・ジャイロの二人にフォーカスした二人旅のMADとして構成することにしました。(単純にこの二人コンビが好きなのもあるけど)

▲ココロジョジョル:オールスター収録の合作。

 

選曲は少し悩みましたが、以前他のアニメで音MADやろうとしてお蔵入りしたまま心残りだった名曲「Chronos」に思い至り、実際に原曲を再生してみたら脳内でSBRの情景や台詞・展開がありありと思い浮かべられたので決定しました。ちなみにこの曲はSBRの連載期間中に音ゲーの「GuitarFreaks V6」&「DrumMania V6」でリリースされたという地味な繋がりもあります。

 ▲Chronosのクリップ。大自然を駆ける映像や、海と空が冒険を感じさせる。

 

題材が定まったら締め切りを設定するために投稿予定日を最初に決めておこうということで、SBRに縁がある日付であり、かつ編集時間を十分に取れる9/25(SBRレース開催日)での投稿を目標に編集スタートしました。(今年の4月ごろ開始。)

 

◆編集ソフト

よく質問されるのでここに記載しておきます。プラグインなどは編集の項で紹介。

・音声編集ソフト:REAPER

・映像編集ソフト:Premiere Pro、AfterEffects、Blender(3D部分)

・画像編集ソフト:Photoshop、CLIP STUDIO、SAI

編集過程を知らない人向けに説明すると、音MADは基本的に音声編集から始めて、音楽が完成したら映像編集に入ります。(稀に映像から作ることもある)

 

◆音声編集

今回は楽曲を元にある程度展開イメージを考えつつ、詳細な構成を決める前に原作SBRをイチから読み直して、昔録画していたASB/EoH(ゲーム)の7部キャラの台詞を時系列順に整理する作業をやりました。

▲漫画を読みながら、ゲームで聞き覚えのある台詞が出てきたらトラックに並べる作業。

 

ここまでしなくてもゲーム版の台詞は大体頭に入っているのですが、把握に漏れが無いようにしたいのと、意外に細かい順番を覚えてない台詞もあったので良い頭の整理になりました。ちなみに「『回転』のレッスンはハードだぜ?」などはゲームオリジナルの台詞です。(今回の動画は基本的には原作台詞を優先して使用して、構成に合うようだったらオリジナルボイスも採用しています。)

 

素材整理が完了したら次は全体構成へ。「Chronos」は変拍子で曲の展開もダイナミックに変わっていく楽曲なので、曲調の変化ごとにチャプターテーマを考え、全9パートで構成しました。

 

★JoJonos最終的なチャプター分け

Ch01(0:01):人物紹介、SBRレース開始

Ch02(0:18):物語のイントロダクション、『回転』と『スタンド』

Ch03(0:29):スタンド使い強襲

Ch04(0:43):ジョニィ・ジャイロ反撃、能力紹介と成長

Ch05(0:54):ジョニィ・ジャイロの旅の目的、心情

Ch06(1:07):ヴァレンタイン大統領の介入、目的

Ch07(1:20):遠回りこそが最短の道

Ch08(1:31):冒険の思い出、ネットに弾かれたボール

Ch09(1:44):ACT4覚醒、二人旅の終わり

※作り始めからここまではっきりテーマを決めているわけではないですが、区分けと大体の方向性はこんな感じで考えていました。

 

全体構成を考えた後は編集開始。音声編集ソフトはいつも通りREAPERを使用しています。全体的に台詞が聞きやすいようにミックスしつつ、効果音もある程度目立つよう調整をしました。(今回のようにドラマ性を重視したいMADではドラムの代わりを為す重要なパートになります。)

 

音声編集にあたって、どこから作り始めるかは場合によって変えますが、今回はラストであるCh09から作っています。(最後がちゃんと締まらないと成り立たないので。)台詞合わせ音MADの作り方は人によって違うと思いますが、自分の場合はシメ・オチや決め台詞から逆算して肉付けするように編集していくことが多いですね。

▲最初に音声編集を始めたチャプター。最後にオラオラ→ありがとうのイメージは編集前からありました。

その後、Ch01~08の脳内テーマに合うように入れたい台詞を入れつつ埋めていきます。最後の方まで行っても、構成とリズムに合う台詞がもし足りない場合には音声が完成せずお蔵入りになってしまう可能性があるので、音声編集は最後まで気を抜けない作業になります。

 

実際、今回特にジョニィとジャイロのパートはASB&EoHのボイス素材をフル活用してようやく完成できたので、どちらかのゲームが欠けたら作れなかったと思います。(一つの部だけ抜き出してもこの量の台詞を収録してるゲームの素材量は超スゴイんですが。)いつも助けられてるので、新作のジョジョASBR(ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトルR)はお布施も兼ねて3本買いました。(PS5 Disc特装版、Digital版、Steam版)

 

◆映像編集

音声が完成したら、まずはイメージ具体化のために使うシーンを決めて、タイミングの参考になるコンテ動画をPremiere Proで作る作業へ入りました。漫画を扱う動画を作る上でモノクロ版とカラー版のどちらを扱うかは選択が分かれそうですが、今回は原作であるモノクロ版をチョイス。(単純にそっちの方が好みなのと、加工もやりやすいので…)

 

映像の方向性として、基本的には小窓をほぼ使わずに16:9の画面全体をフレームとして動かしていきたかったので、今回使用できるシーンは結構絞られています。(建物やフキダシでキャラクターが隠されている部分が大きすぎるシーンは使用しづらいため。)漫画は縦に長いシーンが多いので、横長の画面にマッチできるシーンを選ぶのが結構難しいところでした。

▲粗いですが、できあがったコンテ映像はこちら。一部の音声は最終調整前のものになっています。

 

その後はコンテのタイミング・使用シーンを元に1シーンごとに以下の作業を順に行いました。

①素材切り抜き・調整&画面配置

②キャラモーション・カメラモーション付与

③エフェクト付与

④色調補正、光源、影付与

⑤口パク付与(時間がかかるから最後)

普段の編集内容とやることがやや異なるので、様子を見ながら全体トーンを合わせるためにまず全シーン①②を作る→全シーンで③の作業→全シーンで④の作業…という感じで同じ映像を何周も編集する感じでやりました。終わりのないのが『終わり』…(終わったけど)

 

コンテ後の映像編集はすべてAfterEffectsで行っていまして、モーションにパペットピンツール(髪揺れにAutoSway)、色調補正にMagic Bullet Looks、レンズぼかしにLenscare、光源にOptical Flares、パーティクル表現にTrapcode Particular等を使用しています。(この動画のためにプラグイン買いすぎた)

 

以下、パート毎の内容紹介に入ります。

・Ch01(0:01):人物紹介、SBRレース開始

主役がこの二人であることや、二人のレースに対する思い、二人の師弟関係・ライバル関係の始まり等を示すチャプターです。ここからヴァレンタイン登場までの色調はChronosのイメージカラーを意識して青を基調としています。(Looksでシャドウカラーを調整。)

 

目、口に影を当てないことで眼光などを表現するのは原作での逆光表現のリスペクトです。(ジャンプ漫画では結構主流の表現?)ASB等でも暗いステージでは似た処理がされてますね。今回の映像内では、影処理を入れた後に上から元絵のマスクを被せて、それをコンポ化したものを使用してモーションを作る形になります。

▲目に影を落とさずに眼光を表現する漫画手法。ジョジョの他にはワンピース等の少年漫画でよく使用されています。

 

手・指を切り抜いて描き足して鉄球回して髪揺らして…とカロリー高めだったカット。能力に使用している光のオーラは無料プラグインのsaberで作っています。光が入り込む表現はDeep Glowのグロー処理で。

 

鉄球は立体的に回転させたいのと、どうせ何回も使うだろうからblenderで3Dで作りました。(3回しか使わなかったけど…)

 

この辺は事前に脳内で台詞が曲にハマっていたので良い具合に実現できて良かったです。

横顔の口パクは難しいんですが、動かしたら割と自然な感じになったので嬉しかったシーン。口パク編集はアニメを参考にしながら全てCLIP STUDIOを使用しての加工+手描きで制作しています。

 

こんなカットは原作に存在しないんですが、追う者と追われる者、飢える者と受け継ぐ者みたいな関係性を、見上げる位置関係・手を伸ばす構図から見られると良いな…と思いコラージュ+手描き補強してシンプルな影絵で制作しています。一応イメージの元ネタは終盤回想のこのシーン↓あたり。

▲原作終盤の回想の台詞が実際に本編に出てきた台詞と違うのちょっと謎だけど、ジョニィの思い出の記憶感があってなんか好き。

 

動画内に投稿日と同じ日付の実況台詞を入れてるのはオシャレポイント(?)です。開幕感が出せるのと、折角最初に投稿日を決めたので入れておこうと。ちなみに、正確なSBRレースの開始時刻は北米時間の午前10時なので投稿時間には迷いましたが、日本時間の午前10時→現地時間ではないのであんまり意味ない、北米時間の午前10時→日本時間の9/26午前3時となってしまい日を跨ぐので意図が伝わりづらい、ということで今回は開催された日付重視としています。

・Ch02(0:18):物語のイントロダクション、『回転』と『スタンド』

『回転』の技術を習得する過程で新たな能力と出会う、物語のイントロダクションパートです。実は音声はこのパートが一番最後に作られました。ストーリーへの導入を入れつつ、短い時間で次のスタンド襲来の場面転換まで流れを持っていかなければならないので個人的にはボイス選定が難しかったところ。(同様に、過去作のココロジョジョル:オールスターでも「このわたしに吸い寄せられる者たち!」から始まる一連の導入パートが一番難航しました。)

 

静止画系MADの醍醐味(?)のまばたき描写は要所に入れたかったポイント。瞼や眉毛を切り抜いてピンツールで動かしたりしています。

 

ここは3D配置で遠近感出したかったところ。朝焼け的なイメージで光源入れてます。この辺から、効果音を切り抜くのが案外面倒だということに気付いてきてます。(バァァアアアのところ)

 

ちなみに今回、『スタンド』の発音はアニメ準拠の平板アクセントに近くなるようにピッチ修正しています。

ASBは3部ゲーとかと同じく「タ」にアクセントが付く発音を踏襲していたのですが、その後始まった3部アニメは荒木先生が普段喋る時の発音と同じく平板な発音で統一された歴史があり… 最近出たASBRではその辺の発音もアニメ準拠で全キャラクター矯正されていると思いますが、ジョニィだけはおそらく以下の理由でほぼ全セリフが変更無しだったので、編集で調整した感じです。(マニアックすぎ補足)

 

『新手のスタンド使いか!』はEoHオリジナル台詞で、実は全キャラ分収録されている汎用ボイスになっています。画像は対になってそうな構図の二人だけど、実は全く別々のシーンからの引用。

・Ch03(0:29):スタンド使い強襲

旅の中で襲いかかるスタンド使い達の猛襲。(ウェカピポは鉄球使いですが。)基本的にはジョジョらしく1枚絵を動かして強調する構成ですが、画面内の人数、物量が多くて描き足し含めて編集カロリーが高めのパートでした。素材的にはアクセル・ROもゲームには居るんだけど尺の都合で今回は不参加。

 

このジャイロは本編ではなく扉絵に使用されていたビジュアル。扉絵の絵はフキダシとか無いので結構使いやすかったりします。腕を切り抜いてアニメっぽく動かしました。

 

リンゴォ戦は絶対に入れたい名シーンだったので主人公パート突入前の前哨戦に。ゲームには「いい「眼光」になったッ!!」しか音声がないので「少し」は造語で言わせています。(ASBリンゴォの台詞かなり多いのに「少し」だけは収録されてないという…)

 

「再びかァァーッ!!」で主人公ズ反撃パートへ。『東京ポルナレフランド』(2014年投稿)を昔見たことある人は懐かしい流れかもしれません。

・Ch04(0:43):ジョニィ・ジャイロ反撃、能力紹介と成長

開放感のある曲調変化に合わせて主人公二人の反撃パートです。成長するジョニィとジャイロが交差する感じで、文字演出でもそれを示しています。エフェクトのいくつかは有料素材のものを使用しています。

 

スキャン発動時の目の下のタトゥー好き。ウインク処理+レンズフレアで能力発動感を出したかった所です。

 

Act2はジョニィが初めて黄金回転を実践できたときの見開きから。ここの水しぶきや、他シーンでの空気中の塵などの表現はParticularで制作しています。物量多めで動作重かったり、描き足しが多かったりで割と大変だったパートです。

 

「もいっぱああああつッ!」は編集前に原曲を聞いてたときからここの三連符に合わせたかったところ。SBR序盤の中でも特に印象に残るシーンですね。

・Ch05(0:54):ジョニィ・ジャイロの旅の目的、心情

ジョニィ・ジャイロは何を目的として旅を続けるのか。7部全体のテーマとも繋がる、二人の精神性を示すパートです。6/8拍子部分の『「ゼロ」に向かっていきたいッ!』と『探す事は出来ねえッ!!』はこの曲におけるある種のサビというか、強調して入れたかった部分なので上手くハマって良かったです。

 

結構血がベッタリなので口パクが難しかった箇所。この辺は風の勢いを入れたいので髪を一束ずつ切り抜いて揺らしています。『「ゼロ」に向かっていきたいッ!』はASBのスタイリッシュムーブ時に確率で出てくる台詞です。(確か)

 

元のコマがかなり縦長なのでどう配置するか迷った箇所。マントや腕を描き足して補正したりして横長の画角に合わせました。ここ含め、原作でも風がなびいてそうなシーンは出来るだけAutoswayでバタバタ動かしてます。

『「どこへ」も!「未来」への道も!探す事は出来ねえッ!!』あたりはEoHで追加されたボイスで、三木さんの熱演も相まってジャイロの台詞の中でも一番好きなものです。ここは見開き全体で最高なので原作も見てみてください。

・Ch06(1:07):ヴァレンタイン大統領の介入、目的

二人の冒険の決着には欠かせないのがこの男。ヴァレンタインの信念を表現できて、かつ本パートのリズムに合う台詞があるか結構探し回りました。アメリカ合衆国イメージで青ベースの色調に光源として赤い光を当てています。(ラスボス的な配色意識もアリ)

 

大統領の髪はまとまりを一房ずつ切り抜き+描き足しでふわふわ動かしました。

 

背景分けて描き足して3Dレイヤーで配置してるけど使用時間が短すぎてあんまり効果出なかった気がするカット。光のカーテンはフラクタルノイズから。ここもかなり縦長のコマなので下からパンさせて使いました。

・Ch07(1:20):遠回りこそが最短の道

原作でも非常に印象的なLesson5のシーン。ジャイロの精神性や黄金長方形のイメージを反映して、ここからは光源を黄金色に変化させています。いわゆる落ちサビ的な部分の雰囲気やリズムに合う台詞を入れられたので良かったです。ちなみに、口パク加工はこのシーンからやり始めました。(やりたい全シーンで出来る時間があるのか不明だったので、重要なシーンから順に作っています。)

 

口パクはアニメを参考にCLIP STUDIOを用いて手描き&加工で一コマずつ作っています。台詞中心の音MADにおいて実際に「喋ってる感」は結構重要なんじゃないか?と思ってやり始めたところです。あと、自分のように静止画系MADでは初心者の人間が画面づくりのクオリティで他の方に一朝一夕で追いつくのは難しいので、音MADならではの画面内を飽きさせない工夫として入れたかったポイント。

 

原作では2カットに分かれていたヴァレンタインが迫りくるシーンとジャイロが斃れるシーンをシームレスに繋がるようにしています。波、馬、ジャイロ、大統領を諸々切り抜いて描き足して3Dレイヤー配置して…とやはり結構大変だったシーンです。

 

台詞合わせ部分の視聴者人気が高かった箇所。ジョニィ覚醒までのテンポが早いので、ここのバックの映像でリズムに合わせてLesson5の過程を入れつつ、黄金長方形の軌跡アニメーションを入れて習得の流れを作ろうとしています。線のアニメは3D Strokeエフェクトを使用。(パスでも普通に作れそう)

 

このシーンではジョニィ単体、回転エフェクト、黄金長方形各種を分離して動かしてます。ジョニィの咆哮はASBのVSヴァレンタインのストーリーモードに出てくるボイスで、ジョジョの奇妙な旅絵巻の7部パートのオマージュも込めて入れてます。(9年前に自分が担当したパート。)

 

・Ch08(1:31):冒険の思い出、ネットに弾かれたボール

Lesson5と共に走馬灯のように思い起こされるのはジャイロと共に過ごしたレースの日々。イメージ元は原作の見開き↓ですが、流石にこれらの台詞はゲーム収録されていないので、リズムに合い、かつ冒険を振り返られるものを未使用のボイスからチョイスしました。『回転』を教わった、激励してくれた、ふざけあった、ケンカもした、秘密を打ち明けあった。どれもジョニィが歩んできた欠かすことのできない回り道だったのではないでしょうか。

 

▲『LESSON1』の内容をこのシーンまで隠しておく原作のニクい演出。ジャイロのクマちゃんとか知らない記憶が入ってくるのも好き。

 

テニスボール→鉄球の演出は思い付いた通りに映像化できて良かったです。作中のテーマの一つでもある無限の領域に挑むジャイロたちを表現したかったシーン。テニスボールはblenderで自作し、テニスコートMMDからお借りしました。ボールを中心にカメラ回転・モーションを入れています。

・Ch09(1:44):ACT4覚醒、二人旅の終わり

ラストは二人旅の記憶から。ジャイロとジョニィが初めて1、2位フィニッシュした回は必ず入れたかった名シーンです。前述の通り音声はこのパートから編集を始めましたが、奇跡的に6/8拍子の三連符と入れたい台詞のリズムが合致したので完成まで持っていくモチベがかなり上がったところです。

 

ここは静止画MADなら原作絵でやるべき所なんですが、こんなに沢山ゲームの台詞使ってるんだから素材のある必殺技部分はゲーム映像を使いたいな、ということで入れました。漫画の色調に合わせてコントラスト等調整してモノクロ処理しています。

 

ヴァレンタイン大統領を倒して空が明けるラスト。SBRレースのエンブレムでシメです。この後に出てくる作品ロゴは文庫版タイトルから。原作はヴァレンタインを倒した後も続いていきますが、今回は二人旅にテーマを絞った動画なので、ジョニィが一人で歩いて行くこの先の展開は原作を読んでのお楽しみ…という感じです。

 

◆サムネ

サムネはChronosのジャケットの色味に近づけて青系統で統一しました。コントラストのメリハリが出るように後ろに「JOJONOS」のデカ文字も追加。サムネイラストはやはり主役の二人が16:9の画角内で目立つものにしたかったので、相棒感が強くジャイロがカメラ目線でサムネ向きなこのビジュアルを選びました。

 

元の絵はこちら。ウルジャンの表紙や文庫版SBRの表紙として使用されたイラストです。(出典は画集『JOJOVELLER』から。)実はサムネとは全然配色が違うビジュアルでした。

こういうマスク画像を作って、特定位置だけ選択して色調をChronos風に変更する作業を行っています。カラーリングに固定概念が無いジョジョならではの加工ポイントですね。

 

◆おわりに

静止画系はまともに作るのが初だったので編集技術的にはまだまだだなと思いますが、コンセプト通りの展開で編集することは出来たのでその点は良かったと思います。今回は意図的に使用していないシーンも多々あるので、もし今後も自分のMADが続くのであれば未来に出るかもしれないアニメ7部のMADでお楽しみいただければと思います。

 

直近ではまずは次の6部MADでまたお会いしましょう。(リアルタイムで編集中です。)最後まで読んでくれてありがとうございました。アリーヴェデルチ!(さよならだ)